レバレッジの重要度:S(ぜひ知っておきたい)

レバレッジとは

レバレッジ(leverage)とは、もともと英語で「てこの作用」という意味を表す単語です。投資の世界では、倍率を掛けて大きな取引をする取引を「レバレッジ取引」と呼びます。また、「レバレッジを掛ける」「レバレッジ比率10倍で投資する」等といった使い方をします。

なお、「レバ」と略されることもあります。

レバレッジの例

FXでレバレッジ10倍を選択した場合の例を見てみましょう。この時、5万円の証拠金をFX会社の口座に入れた場合、その10倍の50万円ぶんまで投資に使用することができます。

本来の10倍の量を購入できるので、投資に成功すれば利益は10倍となります。しかし失敗した場合はもちろん損失も10倍となります。

レバレッジに関連する用語

レバレッジ倍率:上記の例で「10倍」のことをレバレッジ倍率と言います。この倍率が高いほど多くの金額を動かせることになります。レバレッジ倍率は各FX会社・証券取扱会社等によって異なります。

証拠金:上記の例で50万円を使うために差し入れた5万円のことを、証拠金と呼びます。証拠金はFX会社に取られてしまうのではなく、FX会社から50万円を借りるために差し出しているだけなので、その50万円を使用していない状態で戻せば5万円はそのまま返ってきます。投資の結果で利益が出れば、証拠金に利益の分が増額されます。但し逆に、50万円から損失が出て49万円になってしまった場合は、証拠金も5万円から1万円減って4万円となってしまいます。

法律によるレバレッジ倍率の上限

現在日本では、レバレッジの上限は法律で定められており、FXでは25倍まで、株式の信用取引では10/3倍まで(信用取引ではレバレッジという言葉はあまり使われませんが)となっています。但し2018年以降、FXのレバレッジ倍率は最大10倍までとする変更が検討されています。

レバレッジの原理

なぜ証拠金の10倍ものお金を貸してもらえるのか、不思議に思う人も多いでしょう。

FXでは、例えば1ドル100円だったものが、急に1ドル200円になったり1ドル10円になることは考えられません。そのため、10倍のお金で取引してもらっても、大きな損害が出ることが少ないと考えられます。お金を貸す側としても、証拠金を大幅に超える損失を出されてしまうと自分が損をしてしまいますが、ある程度損が出たら自動的に取引を終了(強制ロスカット)してしまうシステムがあるので、証拠金を大幅に超える損失が出ないようになっているのです。上記の例で言えば、証拠金5万円の人に50万円を貸しても、45万円になった時点でFX会社側が自動的にロスカットをしてしまえば、FX会社には損失は出ないというわけです。

追加証拠金(追証)

損失によって証拠金が減り、証拠金の必要額が不足してしまった場合、その分のお金をFX会社へ支払うことが必要になります。これを追加証拠金、略して追証(おいしょう)と言います。追加証拠金を指定の期日までに払わないと、現在持ってる建玉が全て強制決済されます。証拠金の額を超える損害が出てしまった場合は、その分はFX会社に対して借金をしているのと同じことになります。

レバレッジ取引では借金が発生する可能性も

通常の株取引やFX取引等では、たとえ買ったものがゼロ円の価値になっても、ゼロになるだけで借金になることはありません。ところがレバレッジを利用すると、大きく損失を出した時にはゼロを超えてマイナスとなり、借金が発生する可能性があります。これがレバレッジ取引の怖い所であり、よく理解したうえで利用する必要があります。