ヘッジの重要度:A(知っていると良い)

ヘッジとは

ヘッジ(hedge)とは、もともと英語で「垣根を作る」「保険を掛ける」という意味。投資の世界においては「大きな損失が出ないように手を打つ」という意味を表す言葉です。

なお、ヘッジを行って安定的な利益を目指す投資ファンドのことを、ヘッジファンドと呼びます。

ヘッジの例:為替ヘッジ

ヘッジの代表的な例として「為替ヘッジ」が挙げられます。

海外へ投資する場合、海外で良い収益を得たとしても、その間に円高が進んで現地の通貨が下落してしまうと、トータルで損となってしまう場合があります。

この場合の問題は、投資開始時と投資終了時で為替レートが異なるために発生しています。

そこで、たとえばアメリカドルへ投資する例を考えてみましょう。あらかじめドル売り・円買いの先物予約をしておくことで、将来ドル円の為替レートがいくらになっても、投資開始時のレートでドルを円に換えることができます。これなら将来の為替レートがいくらになろうと、安定した収益を得ることができます。これを「為替ヘッジ」と言います。

ヘッジの利点

ヘッジをかけると、損失を最小限にとどめることができます。ある商品に対して高い利益が期待できるが、失敗した場合の損失額が許容範囲を超えてしまうという場合には、少しヘッジをかけることで、失敗した際の損失額を許容範囲にとどめることができます。

ヘッジの欠点

ヘッジをかけると、失敗した場合の利益を低減できる代わりに、成功した場合の利益も減ることになります。

許容できる範囲のリスクに対してヘッジをかけると、利益を必要以上に減らしてしまう場合もあります。ヘッジは何でもかんでもかければいいわけではなく、リスクに見合った規模のヘッジを掛けることが重要です。

個人投資家がヘッジをする必要性

ヘッジは主に、機関投資家などプロが使う手法です。何故なら機関投資家は、目標金額が定められていたり、月次・年次の成績で常にプラスの数字を出し続ける必要がある、などの制約があるためです。一般投資家にはそういう制約はありませんし、そもそもヘッジをかけるのにもコストがかかるケースもあります。そのため、ヘッジをかけることが絶対的に正しいということではありません。目的に応じて、適切な内容・適切な規模のヘッジをかけることができる場合にのみ、ヘッジをかけるようにするのが良いでしょう。