分散投資の重要度:S(必ず知っておきたい)

分散投資とは

分散投資とは、投資先を複数に分散することを指します。転じて「様々なものに投資を分散することでリスクを回避する」という意味で使われることもあります。

分散投資の目的・メリット

分散投資は、投資先を分散することにより、大きな損失を防ぐことが目的です。

ある1社の株価が大きく下落した場合、その会社の株しか持っていない人は大損をしてしまいますが、10社の株を10分の1ずつ持っている人にとっては小さな損害となります。もちろん中には世界全体に不況が発生するリスクなど、分散投資をしても逃れられないリスクもありますが、分散投資によって回避できるリスクも多々あります。

分散投資のやり方例:異業種への分散

好景気の時に強いとされる商社の株と、不景気の時に強いとされる食品会社の株を同時に買います。こうすることで、不況時には商社の株が下がりますが、食品会社の株は下がらない(下がり方が小さい)ので、安定的に収益を得やすくなります。いずれの会社も将来性があるのならば、2社合計での株価は上がっていくことが見込まれます。

※不況時に強い、あるいは安定的である銘柄を「ディフェンシブ銘柄」と言います。ポートフォリオにディフェンシブ銘柄を組み入れることで、ある程度不況への対応が可能になります。不況になる前に株を売ればいいという考え方もありますが、実際は不況が始まるかどうかを個人投資家が判断するのはなかなか難しいです。

分散投資のやり方例:同業種での分散

今後数年でバイオ関連の業種が伸びると予想した場合を考えてみましょう。投資資金のすべてでバイオ関連の企業1社の株を買うのも良いですが、投資資金を3つに分けて3社のバイオ関連株を保有するという分散投資もできます。この分散投資の場合は、どの会社が伸びても利益を得られますし、1社の業績が落ち込んでも他がカバーして合計でプラスになることが期待できます。

時間の分散投資

ここまで紹介した分散投資は「買うもの」を分散してきましたが、「買うタイミング」の分散も有力な投資法となります。

ある会社の株を買おうとした時に、いきなり全額を投じるのではなく、今年と来年に分けて半分ずつ購入します。こうすることで、今年から来年にかけて大きく株価が下がっても、その下がった状態で株を買えるので、得をすることになります(将来株価が上がるならば)。

毎月自動的に少しずつ購入していく「積み立て投資」も、購入タイミングを分散する投資法です。

色々な種類の金融商品を買う場合でも、一度に全て買うのではなく、長い時間をかけて少しずつ買っていくことで、時間の分散投資が可能となります。