2013年4月1日 コンピューター将棋

将棋で初めて現役のプロ棋士がコンピューターに負けたというニュース。
僕も別にそんな詳しいわけでは無いのですが、
少なくとも「どちらが強い」という単純な話ではないことは知っています。

コンピューターは全ての定跡や過去の公式戦の棋譜を全て覚えています。そのため、その範囲で戦うと無茶苦茶強いです。そこで実はプロ棋士側も、コンピューターの思考を研究し、コンピューターに勝つための方法を考え続けているのです。
例えばコンピューターはオセロでは強く囲碁では弱い、その理由は終局までの選択肢の数が囲碁の方が圧倒的に多いから、というのはもはや常識ですが、将棋でもなるべく選択肢が増えるように指すという方法が有力です。具体的には入玉狙いですが。

コンピューターとの対戦に若手の棋士が多いのは、こういうこれまで無かった全く新しい分野の研究をしている人が多いのもあるかもしれません。まあ何にしても、プロが初めて負けたと言いますが、やっとかよというか、これまでプロが頑張りすぎていたのではとさえ思います。

例えばレスリングの吉田沙保里さんって強いじゃないですか。
でも強さで言ったら工事現場のショベルカーとかの方が強いと思うんですよ。
でも、吉田はやっぱ強いし、かっこいい。
短時間攻略だって、RTAよりTASの方が早いでしょ。同じことですよ。
将棋だって本来、コンピューターとどっちが強いか比べること自体にはあんまり意味が無くて、
今後もプロ棋士界はこれまで通り何も変わらずあり続けていいんじゃないかと。
で、プロの皆さんが個性を出しながら戦っていったら、面白味は損なわれないと思います。
まあそういうエンターテイメント性はある程度必要になってくるかもしれませんけど。

ちなみに数年前に世界チャンピオンがコンピューターに負けたチェス界では、
プロの対局後に行われる感想戦(ここはこうすれば良かったのでは、みたいな反省会)では
コンピューターの提案も考慮に入れたりするみたいです。
将棋界がすべき今後の心配はそういう、コンピューターとどのようにうまく付き合いっていくか、という所なんじゃないでしょうか。
レスリングにショベルカーがエントリーできないみたいに。

それにしても、自ら先頭を切って負けた米長会長(プロ引退後)はすごいと思います。
負けた棋士のブログが炎上してるそうですけど、
既に会長が負けたことがあるから、世間ではそこまで大きく悲観的な話題にはなってないですよね。

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