低学年でのごほうびの正しい在り方とは
勉強ができたら子供に「ごほうび」をあげるご家庭も多いと思います。
いっぽうで勉強はやって当たり前のものだからとか、ごほうびをあげるとそれが勉強の目的になってしまうから、といった理由でごほうびをあげないご家庭もあります。
今回は、僕がごほうびについてどう考えているか書いてみたいと思います。
ご褒美の存在理由
子供にとって重要なのは「今」であり、遠い将来のメリットについて子供は正確に評価することができません。だから、学を身に着けて将来役立たせることより、今日遊ぶことを優先してしまいます。

それと比べて親は、遠い将来のメリットを高く評価します。
つまり、ここで親と子で価値観の違いが生じます。この将来に対する価値観の差を埋める道具が、ご褒美です。
ご褒美の設定値
例えば子供にとって今遊ぶことが幸福値+10で、勉強して将来役立てることが幸福値+5だとします。
この場合、子供にとって幸福値+10になるようなご褒美を設定すれば、勉強の幸福値が+5から+15に増えますから、今遊ぶこと(幸福値+10)よりも勉強を優先するようになるわけです。
どのようなご褒美が+10なのか、あるいはご褒美+100なのか、は子供により異なりますが、例えばおやつとか、お小遣いとか、遊園地とか、海外旅行とか、考えられる様々なご褒美の中から適切なご褒美を設定することが重要になります。
「ドリル1ページやったら海外旅行」とかがおかしいのは直感的に分かると思います。あまり大きすぎるご褒美をあげると、ご褒美のために勉強するようになったり、ご褒美を1個もらったら満足して次をやってくれなくなるなどのリスクがあります。あるいはもっと大きなご褒美をくれないと勉強しないよと交渉し始めたりしてしまい、後述のデメリットを被ることにもなります。
ご褒美のデメリット
ごほうびが子供のやる気を引き出す一方で、ごほうびは麻薬のように子供を蝕みます。いや、ちょっと表現が怖すぎたので言い直します。ご褒美にはデメリットもあります。
よく挙げられるのが、「ご褒美目的で勉強するようになると、ご褒美の設定されていない勉強をしなくなる」といったものです。
確かに勉強するたびにご褒美が出ているようだと、そうなってしまうリスクはあると思います。
この回避法としては例えば、「毎日最低限これだけはやる」を決めて、それプラス追加で何かをやった場合にご褒美が出る、といった方法が考えられます。
また、結果を出した場合にご褒美を出すというのも、使いようによっては悪い手ではないです。
例えば漢字検定・算数検定・英語検定などの比較的簡単に受かる検定で、合格したらご褒美を設定します。これらの検定では努力さえすれば合格という結果に繋がりやすいので、努力に対してご褒美をあげても、結果に対してご褒美をあげても、大した違いはありません。
ご褒美の隠れたメリット
ご褒美の隠れたメリットとして、順番が入れ替わるというものがあります。
どういうことかと言いますと、分かりやすい例として「勉強したらゲームして良いですよ」というものがあります。
この場合、子供は「勉強は後でやるからー」と言ってゲームをすることができなくなり、勉強してからゲームをするようになります。
多くのゲームは目に負担を与え、またプレイ中は集中し、緊張状態になります。本人は気づかないことが多いですが、要するに、ゲームは疲れるのです。
低学年の子にとって体力は貴重です。平日などは学校に行って元気いっぱい遊ぶだけでも結構な体力を消費してきます。さらにゲームまでやってから勉強となると、勉強の効率はかなり落ちることになります。先に勉強をしてからゲームをした方が、疲れていない状態で勉強をできるので、勉強の効率が良く、効果も大きいのです。
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