2011年3月17日 ぼくのかんがえた福島原発事故

専門家でもなんでもない僕が、これまでに適当に集めた情報をまとめてみます。
いいですか、専門知識は無いですし、高校物理とかももうあんまり覚えてませんよ。
断定調で書いているものもすべて僕が勝手に予想しているものや、どこかで聞いた・読んだ内容です。

■基礎用語
放射能=「放射線を放射する能力」の略
放射線=なんか体に悪いやつ
放射性物質=放射能力を持つ物質

※放射線のことを放射能と呼んでいる人が多い

■福島原発の基礎知識
福島第一発電所には6つの原発がある。地震当時は1~3号機が稼働中で、3~6号機には使用済み燃料が置いてあった。
地震と同時に発電所は停止し、反応を止める制御棒が挿入された(チェルノブイリはこれに失敗した)。
しかし燃料は自ら勝手に発熱するので、冷やしておかないと徐々に温まる。
温まると燃料の周りを覆っているコーティングが溶けて燃料がむき出しになり、そこから放射線が発生する。
だから普通は水に漬けて冷やしておくのだが、津波被害で原発内の電線とかが壊れて、
その水を入れ替えたりかきまぜたりするシステムが動かなくなってしまった。
それで水がどんどん温まり、水蒸気になった。水が水蒸気になると体積が1000倍になるので、あっちこっち爆発して壊れた。

■現状
現場に付いていた計測機器がほとんど壊れていて、いま何度とか水がどれくらいとか圧力とかそういう情報が取れない。
しかも放射能がすごくて現場に近づけない。なので、確定していない事実が多い。
(このことを知らずに、東電が詳細なデータを隠ぺいしていると勘違いしている人もいる)
2号機は容器が破損(3も?)。1,3,4号機は容器が入っている建物の天井が破損。
容器内の燃料は1号機が70%破損、2号機が33%破損。正確には「1号機にある400本のうち280本、2号機の548本のうち183本に、小さな穴や亀裂が生じている可能性がある」。また、3号機の使用済み燃料も破損している。
大気中に出ている放射線の原因は、最初は1,2,3号機の内部圧力を下げるために水蒸気を一時的に外に逃がした際に、水蒸気が含んでいた放射性物質によるもの。後半は2号機の亀裂から漏れている水や3号機の使用済み燃料からのもの。最初は一時的な水蒸気に付帯するものだけだったので弱いが、後半は実物から放射線が出ている感じなので数値が上がった。1号機は燃料の70%に損傷の恐れがあるが、容器が壊れてないから今のところ外界に放射線が漏れる心配はない。

■今の不安
1~3号機には水が十分入っているが、その水をかきまぜると、冷却効果が増すし、水蒸気が出なくなるのでベントさせる際に大気に放射性物質を含んだ水蒸気を放出する必要がなくなり、さらに安心の状態になる。
逆に、大気に蒸気を放出する箇所が全部壊れたりすると怖い。
4~6号機の使用済み燃料にも水が入っている。ほっとくとやばいけど数日は安心。
3号機の使用済み燃料には水がほとんど入ってなくて、コーティングも溶けてきてる。1200トン入るプールに30トンの水をかけたが、仮に全部入ってても足りない。明日以降も水かけ作業をする模様。満タンになれば燃料からの放射線も減るらしい(上から水がフタすることになるから)。

■明日予定されていること
電気の回復は18日の模様。建物が爆発してない2号機は内部も壊れていない可能性が高いので、まず2号機内の電気配線をいじってみて、水を入れ替えたりかきまぜたりするシステムが生き返るか試してみる。
3号機の使用済み燃料のプールには地上からの放水で水を入れる。消防車は30トンしか積めないけど、海水を放射すれば無限に水を出せる。但しそれをするには現場で外に出てホースをつなぐ作業をしないといけないので、やるかわからない。

■今後の展開
燃料は3年くらい冷やす必要があるらしい。
電気が復活すれば燃料の損傷は止まり、放射性物質を含む水蒸気を大気に出す必要もなくなる。
それ以後は、既に容器より外界へ出てしまった放射性物質(2号機の亀裂から漏れた水と、3号機の壊れた建物の残骸部分かな)が、大気に放射線を出すことになる。
一般人が受けてよい放射線量は年10万マイクロシーベルトらしいので、1時間当たりで10万/(365*24)=11マイクロシーベルト。
11マイクロシーベルトを1年間受け続けてやっとやばくなるという話ですが、現在は福島以外では(福島も原発近隣以外は)どこでも1マイクロシーベルト以下。2号機3号機から放射線が出続けても、まあ風評被害はあるでしょうが、原発近隣以外の人間には重大な問題は無いことになります。

■福島事故はチェルノブイリにはならないらしい
チェルノブイリ事故では世界中に放射能が拡散しましたが、それはチェルノブイリにある放射能汚染物から放射線が出ていたわけではなく、
放射能(放射する能力)を持ったもの自体が爆発とともに数千キロまで飛んだということのようです。
つまり、爆発さえ起きなければ、放射能汚染物が吹っ飛ぶことは無いので、最悪でも「福島からゆるやかな放射線が漏れ続ける」という、
まあそれはそれで大問題なんですけどチェルノブイリよりは数段ましな状況になるという話のようです。

爆発の原因については、現在の福島で考えられるのは、(1)燃料棒が溶けて底に貯まって、そうすると反応を抑制する制御棒に遮断されることなく燃料同士が集まってしまうので反応が激しくなり爆発(「臨界状態」と呼ばれるやつ) (2)反応炉内の圧力が上昇して爆発 あたりだと思いますが、(1)については福島の炉は底に貯まっても爆発はしない構造だとNHKで専門家が言ってました。(2)については既に亀裂がある2号機は逆に安全そうで、1号機や3号機も、ゆるやかな圧力上昇ならば2号機と同じく亀裂だけで済むから爆発にはならないんじゃないでしょうか。
但し(1)に関して、高温になった燃料が容器と床を溶かして地面に入れば、地下水脈で水蒸気爆発を起こす可能性はあるとどこかのテレビで聞きました。その場合は地下とはいえちょっとは飛散するような気がしますが、逆にこれが最悪の最悪のケースだとも言ってた気がします。

これで終わりです。何割くらい当たってるかな。
勘違い、聞き違い、書き間違いなどなどあるかもしれませんが、少なくとも現在僕の頭の中は大体こんな感じになっているということで、
まあ日記というのはそもそもそういうものを書く場所ですから、そのまま書いてみました。

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コメント

  1. おてう より:

    >M7さん
    あ、そうでしたか。
    日本の基準って大抵がかなり安全にとられてますよね。
    消費期限とかだけは過ぎると危ないですが。笑

    >くろねさん
    うちの嫁も文系なので苦労してました。
    多分国民のほとんどが苦労するか興味が無い話だろうと思います。
    そういう点では、テレビとかであまり細かい話まで触れるのは意味なさそうですよね。

  2. おてう より:

    >M7さん
    あ、そうでしたか。
    日本の基準って大抵がかなり安全にとられてますよね。
    消費期限とかだけは過ぎると危ないですが。笑

    >くろねさん
    うちの嫁も文系なので苦労してました。
    多分国民のほとんどが苦労するか興味が無い話だろうと思います。
    そういう点では、テレビとかであまり細かい話まで触れるのは意味なさそうですよね。

  3. くろね より:

    久々に覗いてみたら相変わらずおてうさんはおてうさんで安心しました…と思ったら
    結婚してたんですねー。おめでとうございます(遅

    周りの理系が原発トークで盛り上がる中
    文系の私にはついていけそうにないと感じていたのですが
    とりあえず問題の表面は理解できた気がします(苦笑
    明日から何とか話に絡めそうです、解説ありがとうございましたm(_ _)m

  4. くろね より:

    久々に覗いてみたら相変わらずおてうさんはおてうさんで安心しました…と思ったら
    結婚してたんですねー。おめでとうございます(遅

    周りの理系が原発トークで盛り上がる中
    文系の私にはついていけそうにないと感じていたのですが
    とりあえず問題の表面は理解できた気がします(苦笑
    明日から何とか話に絡めそうです、解説ありがとうございましたm(_ _)m

  5. M7 より:

    私も適当にしか情報集めていないのですが、「たぶん」のレベルで思うことを。

    爆発したのは(少なくとも初回のは)圧力よりも水素(核燃料まわりのジルコニウム
    から発生したもの)の濃度が高まったために起きたようです。その原因は結局水の蒸発っぽいですが。

    あと「一般人が受けてよい放射線量」は、健康リスクがほぼ無視できるという意味では大体10万uSv/年ですが
    法的な意味では一応1000だか5000だかでだいぶ下げられたものだったと思います。
    一般人だろうと作業員だろうと、個人のリスクが変わるわけではありませんので
    余計な心配不用という点では変わりませんが(笑

  6. M7 より:

    私も適当にしか情報集めていないのですが、「たぶん」のレベルで思うことを。

    爆発したのは(少なくとも初回のは)圧力よりも水素(核燃料まわりのジルコニウム
    から発生したもの)の濃度が高まったために起きたようです。その原因は結局水の蒸発っぽいですが。

    あと「一般人が受けてよい放射線量」は、健康リスクがほぼ無視できるという意味では大体10万uSv/年ですが
    法的な意味では一応1000だか5000だかでだいぶ下げられたものだったと思います。
    一般人だろうと作業員だろうと、個人のリスクが変わるわけではありませんので
    余計な心配不用という点では変わりませんが(笑

  7. おてう より:

    各位、

    読みにくい文章を読んでいただいてありがとうございます。
    状況や情報量が日々変わっているので気を付けてください。

    >とくめいさん
    放出した水が10度なら100度-10度=90kcal+539ですかね。
    昨日は1日で100トン、今日以降はもっと行けそうみたいですが、
    IAEAも4号機の方が重大だと言ってるみたいですね。
    4号機は放水より通電作業を優先するようですが、数回火災があったので内部の機器が無事かどうか心配です。

  8. おてう より:

    各位、

    読みにくい文章を読んでいただいてありがとうございます。
    状況や情報量が日々変わっているので気を付けてください。

    >とくめいさん
    放出した水が10度なら100度-10度=90kcal+539ですかね。
    昨日は1日で100トン、今日以降はもっと行けそうみたいですが、
    IAEAも4号機の方が重大だと言ってるみたいですね。
    4号機は放水より通電作業を優先するようですが、数回火災があったので内部の機器が無事かどうか心配です。

  9. とくめい より:

    燃料棒の発熱量は,一番大きい4号機で毎時200万キロカロリーだそうですから※,水の蒸発潜熱 539 kcal/kgとして

     2.0 × 10^6 (kcal/h) / 539 (kcal/kg)
    = 3711 (kg/h)
    = 89 (t/日)

    30t程度ではまさに焼け石に水です……
    (正確には熱伝導による放熱もありますが)
    今日未明も放水を続けていたのはそういう理由だと思います。

    水がある限りは100℃までしかあがらないので,その間に冷凍機を復旧するしかないようですね。

    ※http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180577.html

  10. とくめい より:

    燃料棒の発熱量は,一番大きい4号機で毎時200万キロカロリーだそうですから※,水の蒸発潜熱 539 kcal/kgとして

     2.0 × 10^6 (kcal/h) / 539 (kcal/kg)
    = 3711 (kg/h)
    = 89 (t/日)

    30t程度ではまさに焼け石に水です……
    (正確には熱伝導による放熱もありますが)
    今日未明も放水を続けていたのはそういう理由だと思います。

    水がある限りは100℃までしかあがらないので,その間に冷凍機を復旧するしかないようですね。

    ※http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180577.html

  11. アクリノ より:

    あとは、原発近くの食材を介しての被爆に気をつければ、まず大丈夫だと・・
    素人意見ですがね~

  12. アクリノ より:

    あとは、原発近くの食材を介しての被爆に気をつければ、まず大丈夫だと・・
    素人意見ですがね~

  13. サプリメント より:

    なるほど、すごく参考になりました。

    マスコミの記事関連見てると、どこまでも逃げないといけない気分になりますよね。

    例えば、メルトダウンしたら半径500kmの食物も食べれなくなる、とか。
    (500kmって京都付近ですよ?!)

  14. サプリメント より:

    なるほど、すごく参考になりました。

    マスコミの記事関連見てると、どこまでも逃げないといけない気分になりますよね。

    例えば、メルトダウンしたら半径500kmの食物も食べれなくなる、とか。
    (500kmって京都付近ですよ?!)

  15. 非常にわかりやすくてためになります。現状知りたい情報はすべて入ってる感じで(燃料棒の数とかは初耳ですし)。

    おてうさんのこういう能力にはいつもながら嫉妬を感じずにはいられません(笑)

  16. 非常にわかりやすくてためになります。現状知りたい情報はすべて入ってる感じで(燃料棒の数とかは初耳ですし)。

    おてうさんのこういう能力にはいつもながら嫉妬を感じずにはいられません(笑)