中学受験を含め算数全体の考え方をこちらに順次まとめています(日々更新中!)
中学受験以前の準備としては、公文式で計算を先取りしたほか、「チャレンジタッチ」で4科目を3学年先取りしました。
小2の時「全国統一小学生テスト」の小3部門を飛び級で受けて好成績だったことから、四谷大塚のマンスリー講座に声をかけていただきました。
元々、中学受験は有力な選択肢の1つとして考えていたので、とりあえず行かせてみることにしました。 子供にとってはこれが初めての通塾で、月1~2回でしたが、とても楽しかったようです。
小3になると、特待生として小4の通常授業にも声をかけていただきました。通塾は時間がかかることもあり難しかったので、普段の授業はweb(予習ナビ)を受講し、テストのみ塾に行くという形になりました。
通塾時間がカットでき、自分の好きなタイミングで勉強できるので、これはとても有用でした。
1年間、四谷大塚と予習シリーズ小4のカリキュラムで学びました。 但し勉強時間はできるだけ短くなるよう毎週工夫を重ね、最終的には1週間あたり算数2時間、国語1時間、理社各1.5時間を目安としました。
他にも数学検定2級(高2範囲の数学)や、キッズBEE(算数オリンピック低学年部門)、全国統一小学生テストなどで結果を残したり、英語、物理、化学、古文などなど本人が興味を持つものには何でも触れていきました。
1年のまとめとなる「志望校判定テスト」では、1学年上の子たちに混じって2659人中で3位でした。
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | 四科 | |
---|---|---|---|---|---|
得点 | 126/150 | 141/150 | 85/100 | 84/100 | 440 |
偏差値 | 72.0 | 71.4 | 68.1 | 65.4 | 73.2 |
小4になると、四谷大塚もそのまま進級し、小5のカリキュラムを進めました。
どの中学受験塾もそうですが、1週間あたりの学びの量は、小4→小5→小6と学年が進むごとに劇的に増えていきます。 その中で、塾のテストで良い結果を取ることにはあまり意味は無いと考え、できるだけ短時間・高効率での勉強を目指しました。
週の勉強時間は最初増えましたが徐々に減っていき、最終的には算数1.5時間、国語0.5時間、理科0.5時間、社会2時間程度。時間と引き換えに演習や覚え込みの作業がカットされており、理科の暗記分野や社会などは比較的平凡な出来であったと思います。
組分けテストは約1万人中で200~400位程度(四谷大塚のSコース上位~中位)に入ることが多かったです。年間の組分けテスト結果を平均すると下表の通りです。
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | 四科 | |
---|---|---|---|---|---|
得点 | 167/200 | 113/150 | 89/100 | 81/100 | 450 |
偏差値 | 65.9 | 62.0 | 68.7 | 61.7 | 66.7 |
全国統一小学生テストでは小4で上位30位に入ると海外大学視察旅行があるのですが、コロナで中止に。 飛び級と合わせて2回もあった機会がどちらも潰れたことになります。これは本当に可哀そうでした。
中学生対象のジュニア数学オリンピックにも挑戦。上位25%程度の成績を取りました。
さて、このようにマイペースに進めていたのですが、秋頃からたまに、他の頭のいい子と競ってみたいという話が出るようになりました。そこで5年生の頭くらいから、サピックスに入塾してみることに。
しかし、結果的にこれは失敗でした。
小5に入ると、四谷大塚の小6の内容を軽くやりつつ、平行でSAPIXの大規模校舎にも通塾開始。 いきなり最上位クラス(α1)に入ると、入塾初日に「復習テスト」なるものを受け、2教科3位、4教科で10位で校舎1位の賞状を獲得しました。復習とは。
さらに年3回のメダル獲得チャンスの1つである3月頭の「組分けテスト」では、算国2科目で偏差値80の2位、総合でも金メダル&校舎1位を獲得。
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | 四科 | |
---|---|---|---|---|---|
得点 | 144/150 | 133/150 | 76/100 | 76/100 | 429 |
偏差値 | 78.4 | 73.7 | 62.8 | 63.7 | 74.6 |
2連続となる校舎1位の賞状。それは子供にとって、求めていたものがここに無いことを意味していました。春期講習を最後に、サピックスを退塾しました。
さて、実際のところ、サピを退塾した本当の理由は、他にやりたいことがあったからです。そこで、四谷大塚の方は引き続き効率的に進めつつ、様々なことに挑戦していきました。
全国統一中学生テスト・全学年部門にも挑戦しました。結果は、決勝進出の30位にわずかに届かず。
英語 | 数学 | 国語 | 三科 | |
---|---|---|---|---|
得点 | 151/200 | 161/200 | 173/200 | 485/600 |
順位 | 62位 | 113位 | 13位 | 34位 |
夏休みには海外研修プログラムに単独で参加したり、 高校生対象の科学オリンピックにも挑戦しました。
2学期からは週1回、6年生に混じって四谷大塚の学校別対策コースに通わせてもらうことができました。 この通塾は非常に楽しかったようです。
6年生対象の四谷大塚「合不合判定テスト」も飛び級で6回受験。結果(総合偏差値)は下表のとおりです。
4月 | 7月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|
74.3 | 74.2 | 69.5 | 64.2 | 68.5 | 74.2 |
最初は好成績を残していたものの、猛烈に追い込んでくる6年生を相手に偏差値は徐々に低下。 しかし学校別対策コースの効果もあってか、最後は再び上がっていきました。12月の結果は5893人中21位で、全校が安全圏(合格率80%)となりました。
もう今年受けても受かる状況。さらにあと1年あるわけですし、まあ大丈夫でしょう。当日に実力さえ出せれば、ですが。
さて、このような中、受験校の選定も進めていきました。
子供が自分はどんな学校に行きたいのか考え、各学校の特徴や条件を見て、また実際に学校見学にも行きました。
当初は桜蔭が有力候補なのかなと思っていたのですが、様々な学校を調べていく中ですぐに変わりました。そして5年生のうちには、女子最難関と言われる桜蔭にはしっかり合格した上で、志望校に進学したい、という方向で固まっていきました。
受験本番は2025年の2月1日が土曜日、2月2日が日曜日、と休日が続きます。 そこで、2024年の2月の休日(試験日ではない日)に、僕が実際に志望校まで電車で行き、ルートや所要時間、道中の寒さ、車内の混み具合等を確認してきました。
また、受験予定校の1つに千葉の渋幕があったのですが、 家から遠いので前泊を検討。上手くいくか試すために、実際に泊まってみることになりました。 というか最初は幕張方面の別の場所に遊びに行く際に、妻がふざけて「前泊の練習」と称しただけなのですが、結果的にはとても役立ちました。
また、インフルエンザの予防投与も、1年前に試してみました。鼻から吸うタイプのイナビルを使用したのですが、なんとその数日後にインフルエンザに感染。どうやらちゃんと鼻から吸えていなかったようです。受験年度でなくて本当に良かったです。
子供も子供で、受験時に右手を骨折しても良いように、左手で書く練習を始めたりしました。
中学受験の模試の多くで、「合格可能性」は最高が80%となっています。 これは、どんなに好成績な子でも落ちる可能性がある、ということだと思います。 その可能性を少しでも減らすべく、まあ半分遊びではありますが、様々な取り組みを行いました。
さて小6です。ここまで"降級"をすることなく来れたので、小5の時点で小6までのカリキュラムを走破。もうやるものがありません。そこで小6途中で再びSAPIXの門戸を叩くことにしました。
サピックスは詰め込み中心なのでうちの子とは相性が悪そうではありますが、国語の記述の授業や、算数の解くスピード面や僕以外の視点からの解説は有意義かなと思い、取り合え通うだけ通うことに。
模試では相変わらず絶好調。合不合判定テストでは1位を獲得しました。
サピックスオープンでも暗記系のA問題では苦戦するものの、思考系のB問題では1位、偏差値82.6を獲得。
この頃から、何故かはわかりませんが、本人が「今日が調子が良いな」と思った時は結果が悪く、調子が悪いと思った日ほど結果は良い、という謎のジンクスが発見されました。
そんな中、夏休みの終わりごろから、異変が起き始めます。
病院で診てもらったところ、詳細は伏せますが、まだよく解明されていない病気であるらしいことが分かりました。
徐々に悪化し、夜の睡眠もうまく取れないようになってしまいました。通塾は中止し、勉強もほとんどできない状態に。代わりに、早稲アカの週1のNN志望校別特訓にZoomで参加できる時だけ参加でき、これはありがたかったです。 体調の良い時に特待が取れていて良かったです。
テストの成績はその日の体調次第。調子の良い時は抜群でした。しかし日によってはテストに全く集中できず、悪い時はテストを受けることすらできなくなりました。実力を出せない子供がただただ可哀そうでした。
サピックスオープンの偏差値は徐々に低下。底が見えません。
4月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
74.5 | 69.6 | 68.0 | 欠席 | 64.0 |
早稲アカのNN桜蔭オープンでは、なんと偏差値50を割ってしまいました。
第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 |
---|---|---|---|
66.1 | 69.4 | 49.9 | 欠席 |
それでも調子の良い時には好結果が出ることもありました。先生によれば3月頃には治るだろうとのこと。本番はその前。なんとか体調の良い日に当たってくれれば…。
12月頃から、いったん状態が上向いてきました。第6回NN桜蔭オープンでは偏差値73.4で1位を獲得。最後の模試で好成績が出たのは救いでした。
良い流れの中、まずは初戦となる栄東へ。ここは遠いので前泊。ルンルン気分の妻が付き添います。
妻は元々中学受験に対して思い入れは無く、まあやりたいならやれば、というくらいの立場。 この栄東戦も、"合法的に"子供を遊びに連れて行ける機会、くらいに考えていたようです。 前日はショッピングモールで遊び倒してからホテルに入り、受験後もたくさん遊んで帰って来ました。
ただ実は、栄東は問題の相性の悪い学校でした。 子供はあくまでその場で初めて見る問題を考えるのが得意なのに対し、栄東の算数は典型問題が多いので経験と暗記勝負。理社もガチガチの暗記系です(他の受験校と比べると)。
栄東Aには「難関大クラス合格」「東大クラス合格」「東大特待」という3種類の合格があります。 過去問を3回やった感じでは、東大クラス合格には届きますが、特待合格に届いたのは1回のみ。
本番を終えた後の感想は「算数で1問聞かれたのと違うのを答えた気がする」「社会で分からない所が出た」。
果たして、2日後に出た結果は…?
【栄東 過去問結果】東大特待合格!しかも合格ラインの246点を28点も上回っています!
当日は体調も安定しており、集中できたようです。
ただ、社会は受験者平均を切っていますね…?すぐに見直しを…。
と思ったのですが、ここで誤算がありました。 栄東は受験後に問題用紙が回収されてしまい、どこにも公開されないのです。
これには困りました。直前に見た資料集のデータから何問も出題されたらしいのですが、それでも平均点以下とは。
謎の社会の失敗を背負ったまま、次の渋幕に挑むことに…。
さて、中学受験の裏で、実は全く関係ないチャレンジにも参加していました。科学オリンピックです。
今期は中学受験が中心でこちらは記念参加程度のつもりでしたが、うち2つで敢闘賞と地区表彰を獲得しました。
ただジュニア数学オリンピックに関しては、難問と思われる11番を正解するも、ミスで答えが1ズレた問題が2つ。片方でも合っていれば本選に進めたので、本人としては悔しい結果となってしまいました。
さて、気を取り直して再び中学受験に戻ります。
2戦目は渋幕。偏差値表の上では今や桜蔭を超え、最難関となっている学校です。
ですが、我が家の感触は全く異なりました。 過去問を解いている限り、上位校の中で最も安定していて、余裕があるのが、渋幕なのです。
しかし試験当日、本人は緊張していました。栄東も好きな学校ではあったのですが、渋幕の方が、より「ここに通うかもしれない」という実感があったそうです。
栄東とは異なる緊張感の中、試験が終了。
終わった後に自己採点と見直しをしたところ、その得意の算数で大きくやらかしていることが発覚。計算の最後で分母と分子を間違えた他、得意の問題でもったいないミスがあり、推定24点ほど落としていました…。
果たして、2日後に出た結果は…?
【渋幕 過去問結果】「一次」とありますが、これで合格です!
2教科目の算数で大失敗があった(と本人は思った)直後、トイレで偶然サピックス時代のお友達に会い、 そこで「算数難しかったね」と言われた一言で調子を取り戻したそうです。ありがとうお友達!
この結果を受けて本人はというと、特待が取れず少し残念そうでした。自己採点は250点付近で、1位が274点だったので、やはり算数の失敗が悔やまれます。
とはいえ合格は合格。このまま2月まで調子を保っていきたいところ…なのですが、残念ながらそうは行きませんでした。
しばらく小康状態だった体調がここへ来て再び悪化。
見落とし、見間違い、勘違い、計算ミスによる失点が増えました。時間切れも起こすように。 1月開催の早稲アカNNのそっくりテストでも、合格率は80%→70%→60%と嫌な感じに推移。
そして1月30日、締めくくりとなる最後の過去問で、なんと過去最低の絶不調。 算数で数字を見間違えるミスによって大問1つを丸々落として大量失点。国語と社会でも平均点を割り込み、これまで過去問を全校合わせて50回分以上やった中で、初めて合格者最低点に達しませんでした。
つまり、不合格です。
信じられません。5年生の時点でも合格者最低点は取れていたのに…。
算数の大問1問丸々間違えている問題にそっとマルを付け、嘘の得点で本人に報告しました。 そして「本番では緊張するから読み間違えに気を付けようね!」とアドバイスしました。
次はもう2月1日、桜蔭本番です。思い返せば、調子が良い時は桜蔭模試で1位でした。桜蔭の合格者は280人。280人に抜かれるようなことが、果たしてあるのでしょうか。
学校別サピックスオープンでは偏差値75を取りました、 合格可能性80%の偏差値は56。偏差値75で落ちた子は過去5年間で0人です。
大丈夫、落ちることは無い。
大丈夫。
日によっては歩くのもつらいような日もあったため、 2月1日も前泊としました。このホテルは事前に一度前泊してから模試を受けたことがあり、準備は万全、のはずでした。
しかし当日朝は、最もコンディションの悪い日に重なってしまいました。
こんなことがあるのか。 最悪の体調、最悪のテンションで試験会場へ。
・・・
しかし、試験を終えた子供の顔は非常に晴れやかでした。え・・・?
それはもしかして
"調子が良かったと思ってる"ということ・・・?
前に書いた通り、本人が「今日が調子が良いな」と思った時は・・・。
桜蔭の合格発表は2日の14時。親としては本当の出来具合が気になるところではありますが、ここは予定通り、自己採点はしませんでした。
子供からも、今日の問題に関する話題は、一切出ませんでした。
2日目は、前日ほどの緊張感は無かったようです。 体調も若干回復しており、また桜蔭を無事に抜けた(と本人は思っている)ことで精神的にも安定が見られました。
そして終わった後は、妻と遊びに行きました。え、マジ?3日以降の準備は?????
そんな中、14時に桜蔭の合格発表です。
妻と子供は出先で確認。僕は自宅で構えます。
そして14時!合否発表のフォームが現れる!
受験番号とパスワードを入力!
エラー
あれ?受験番号って何桁だっけ?
先頭に0付けるっけ?
それとも00付けるんだっけ?
全通り試すもエラー。
あれ、他の学校と番号間違えた?
あ、違う!パスワードの生年月日は20xx年じゃなく平成xx年を打ち込むのか!エラー。
え???
その時、電話が鳴りました
子供「合格したよー」
おおおおおおおおおおお!!!!!
ちなみにパスワードは生年月日ではなく、妻が設定したランダムな英数字でした。
さて、ここからは雑に進めますが、2月2日以降の戦いも終え、終わってみれば結果は女子最難関の渋幕・桜蔭を含め全勝でした。
その他の試験結果の良い所だけ並べるとこんな感じです。
子供の成績と合否だけ見たら、順当な結果に見えたかもしれません。 しかし実際は決して楽な中学受験ではありませんでした。子供は本当によく乗り越えたと思います。
1年先取りするという決断も結果的には正解でした。6年生の時に、1年余裕のある状態で本当に良かったです。
なお、進学先については一応伏せさせていただきます。ご了承ください。
今回の中学受験の簡単なまとめはこれで終わりです。
今後についてですが、どこかでさらに詳しい内容を書いていきたいなと思っています。 気になる箇所などありましたらぜひお気軽にご指摘ください。
僕が本当に書きたいと思っているのは、実は中学受験の部分ではなく、その前です。早期教育については、目的も正解もご家庭ごとに異なるとは思いますが、うちの例が参考になる方もごく少数はいらっしゃるかもしれません。 どんな風に考え、どんなことをしたか、その結果どんな感じになったか。言語化が難しい部分もありそうですが、ぜひ挑戦したいと思っています。
それと最後に1つ言いたいことがあります。
最近「親がブログやSNSで活動していると桜蔭に落とされるのではないか」といった噂がまことしやかにささやかれるようになりました。
確かにここ数年、桜蔭に挑むブロガーさんの子が不合格になったり、SNSから突如消える、等といったことが相次ぎました。 最近ブログやSNSで情報発信をする人が減った理由の1つに挙げられることもあり、気にしていた人も多いのではないかと思います。ですが、
少なくとも問題の無い使い方をしている限りにおいて、親がブログやSNSをやっていることが理由で子供が桜蔭に落とされるということはありません!
中学受験親によるブログやSNSは、中学受験に挑む人たちにとって数少ない重要な情報源です。 これからもそういった文化が、健全な形で、続いて行って欲しいなと思っています。
以上です。応援ありがとうございました!
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