三尊天井の重要度:A(知っていた方が良い)
三尊天井とは
三尊天井とは、チャートが3つの山を描く状態を指します。厳密には、3つの山のうち2番目が最も高い状態を三尊天井と呼びます。
この形状は、それまで上昇していた株価が下落に転じる前ぶれとして広く知られています。
ちなみに三尊天井の語源は釈迦三尊像で、中央に大きな釈迦像、左右に菩薩が配置されているという形状にちなんで名づけられたそうです。海外では3つの山の状態をトリプルトップと呼び、特に中央の山が大きい時にヘッド・アンド・ショルダーズ(Head and Shoulders)と呼びます。
三尊天井は売りサイン
チャートが三尊天井の形になると、その後に株価が下落する可能性が高いとされています。特にそれまで上昇してきた株価が、三尊天井を境に下落を始めるという、トレンドの転換点となることが多いとされています。
考え方の一例としては、1回目の上昇に比べて2回目はさらに高値まで行ったものの、3回目はそこまで上昇できなかったので、多くの人がここが現時点での上値の限界であると思っている、といった状況になっていると考えられます。
三尊天井のヘッドとショルダー
三尊天井のうち中央の大きな山をヘッドと呼び、1つ目と3つ目の山をショルダーと呼びます。前述の通り、ヘッドがショルダーよりも大きいことが三尊天井の条件となっています。
三尊天井のネックライン
三尊天井には3つの山があるので、その間には必ず2つの谷があります。この谷と谷を結ぶ線のことをネックラインと呼びます。
三尊天井の成立と否定(だまし)
三尊天井は、単に3つの山ができたら完成ではありません。3つ目の山が2つ目の山より小さく終わり、その後ネックラインを下回った時に、はじめて三尊天井が成立した状態と言えます。そのため、ネックラインを下回る時に売りを入れる人が多いため、ネックラインを下回ると一気に株価が急落することがあります。
ただし、一度は成立した三尊天井がその後崩れる場合もあります。一度形成された三尊天井が崩れる状態のことを「三尊天井のだまし」あるいは「三尊天井の否定」などと呼びます。三尊天井が否定されたと判定されるのは、三尊天井形成後に3つ目の山を越えてしまった場合(下図)です。
三尊天井だと思ってエントリーポイントで売りを入れたのに否定されてしまった場合は、1つ目の山と3つ目の山を結んだ直線上(上図参照)のラインを上回ってしまった時に損切りすべきとされています。
そのため、三尊天井が否定されると一気に株価が上昇することがあります。
逆にここさえ上回らなければ、この後も上下にスイングを繰り返す可能性があるため、まだ損切りするのはもったいないという考え方もできます。
三尊天井の否定の後は上昇する可能性
三尊天井の否定(だまし)を理論で考えると、本来なら下落するべきところで下落せずに上昇したわけですから、上昇する力がかなり強いと考えられます。また、一例としてストーリーを考えると。もしかすると3つ目の山の後の下落は、三尊天井を作りたいがために誰かが故意に大量の売りを入れたのかもしれません。そしてそれを見た他の人は「いやいや、ここは売りではないだろう」と判断していたために、三尊天井を形成したのに下落せず上昇した、等といったケースなども考えられそうです。
機関投資家などの大口の買いが入った可能性もありますが、その場合でも大口の投資家が上昇を見込んでいるわけですから、やはり今後も上昇していく可能性に期待が持てます。
三尊天井が機能しない場合
三尊天井は、トレンドの転換点となりうる指標です。そのため、強い上昇トレンドの中で揉み合った際に偶然できた小さな三尊天井などは、意味をなさない場合が多いです。
三尊天井のゆらぎ
三尊天井は、きれいな形で現れるとは限りません。むしろ、多少いびつな形で現れることの方が多いです。その場合、きれいな三尊天井と比べて多少異なる意味を持つことがあります。