ドル円の為替レートは、一時は1ドル76円台という史上最高(最低)記録まで円高が進んでいましたが、最近は少し円安が進んで、今日ついに1ドル82円台まで来ました。
日銀が為替介入で円高のスピードを遅らせ、その間に為替が回復することで企業への実損を減らすという、理想通りの展開となりました。
安住財務大臣が為替介入をしたのが1ドル75円~78円。当時は「9兆円ものお金をどぶに捨てた!」とか叩かれていましたね。
あれから円安が進んだので、あの時9兆円で買ったドルは価値が上昇し、今では9.5兆円くらいまで増えた計算になります。
当時安住さんを叩いた人は、今からでも謝りに行った方がいいです。
ちなみに介入の数か月後に金額と介入水準をバラしちゃったことに関しては話が別。あれは普通に考えたらやってはいけないミス。
でも、そもそもあのバラしちゃった数字自体も、正しいかどうかなんて誰にも分からないんだよね。
78円までしか介入してないのに勝手に79円まで行ってたってのが事実だと、介入には介入以上の効果があることになる。つまり今後の介入による効果を増幅したことになる。
発言の真意は永久に謎のまま。大臣ってのは本当に大変な仕事だと思う。
為替介入についてもう少し。
前にも何度か書いた気がするけど、現代の為替介入というのは、為替レートを変えるためにやるものではなく、為替レートが変動するスピードを遅くするというものです。
もし現在1ドル80円になっていて、本来あるべき姿が1ドル70円だとしても、1日で80円から70円になるわけではなく、時間がかかるものなのです。その時間をさらに伸ばすという感じ。
今回のように為替介入によって急に1ドルが76円から79円になると、レバレッジを効かせて全力で円を買いまくっている人は大打撃を受けます。資産が半減したり、下手すると破産します。
一度大打撃を受けると、心理的になかなか買いにくくなるものです。円を買ってもいつまた介入でやられるかわからない。買ったとしても、日銀や安住さんがちょっと「注視する」と発言しただけで、すぐ売り逃げられるよう自分は警戒モードに入らなければならない。日本は介入を日本時間の朝10時から行うことが多く、それは外人からすると自分たちが寝ている間の事なので無茶苦茶怖い。日本語とか分からないから政府の見解に即座に対応できなかったりもするし…。
そういうことで、為替介入によって実際に円高のスピードが収まったと僕は思っています、という話でした。
ドル円のチャートに矢印を書いてみると、何となく為替介入で下落傾向がおさまってる感じになると思います(星印が大きな介入のあった日)。まあ矢印の書き方次第ではあるんですけど。笑
ちなみに9兆円というのは10月31日ですが、他に8月4日にも為替介入を行っており、こちらもやはり円高の勢い止めていることがわかります。(グラフが下に行くと円高ね)
8月4日にはちょっと山が出来ていますが、77円から79円に上がって、すぐ下がっています。すぐ戻ってしまったので効果が無かったと世間は捉えていますが、その後すぐに76円、75円…と進むことを抑えたのが介入の効果というわけです。
そして10月31日の介入では、その後数日も「覆面介入」を行ったそうで、8月と違ってその後すぐに元の水準に戻らなかったのはこの効果が大きそうです。
コメント
>匿名さん
あんな叩かれて給料も下げられるのに、政治家をやってくれる人たちがいてくれるのはありがたいことですよね。
メディアもそうだけど僕らも普段から、感謝の姿勢を表現していかないといけませんね。
悪い所は悪いという必要もあるけど、両方バランスよく。
>匿名さん
あんな叩かれて給料も下げられるのに、政治家をやってくれる人たちがいてくれるのはありがたいことですよね。
メディアもそうだけど僕らも普段から、感謝の姿勢を表現していかないといけませんね。
悪い所は悪いという必要もあるけど、両方バランスよく。
政治家は叩かれれるばかりで実績が評価されない。
メディアはもっと評価する文化を作るべきだと思う。
政治家は叩かれれるばかりで実績が評価されない。
メディアはもっと評価する文化を作るべきだと思う。