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低学年での社会の先取り教育の危険な点

低学年での社会の先取り教育

算国と比べると理社はあまり先取り教育がされませんが、特に社会については、先取り教育のやり方が他とは違い、注意が必要だと考えています。

実は算国理社と4つの科目を並べると、社会だけ、ある点において他の3教科とは全く異なっているのです。

4科目中で異質な社会

例えば算数を考えてみます。低学年の時につるかめ算をマスターしたとして、その知識は小6まで使えるでしょうか?

使えますね。何年後もツルの足は2本でカメの足は4本です。

 

では社会の知識は小6まで使えるでしょうか?

使えます、とは言い切れません。社会の範囲の内容は、後から変わるものも多いためです。

 

有名な所では、鎌倉幕府の成立は1192年よりも1185年派が多数になっているそうです。

みかんの都道府県別生産量は、下表のように2位以下が毎年変わります。

1位 2位 3位 4位
2016年 和歌山県20% 愛媛県16% 静岡県15% 熊本県10%
2017年 和歌山県19% 愛媛県16% 熊本県12% 静岡県11%
2018年 和歌山県20% 静岡県15% 愛媛県15% 熊本県12%
2019年 和歌山県21% 愛媛県17% 静岡県12% 熊本県11%
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中学受験の社会はその年のニュースからも出題されますが、当たり前ですがその部分は毎年学び直しになります。

個人的には小学生の時に世界の首都をすべて覚えたのですが、その後でソビエト連邦が解体し、ユーゴスラビアも分裂し、国が一気に増えたりしました。

というわけで、社会は答えが変わることがあるという点で、他の科目とは扱い方が変わって来ると考えています。

余談ですが、クイズ界においても「事実が変わりうる問題」は出題しにくいため、事実が変わりにくい美術品、文学作品、過去の出来事などの出題が多くなる傾向があります。

じゃあどうすればいいの?

じゃあ中学受験を考えている場合、低学年の社会はどうすればいいか?

それは、とにかく興味を持たせることに尽きると思います。

日本にはこんなに色々な場所がある、日本の昔はこうなっていた、総理大臣はどうやって決まっている、電気や水道はどこから来る、などなど。

将来変わるかもしれない細かい所をあらかじめ覚えてしまうと、事実が変わった時、逆に昔の知識とごっちゃになってしまい悪影響を与える可能性すらあります。

それよりも普遍的な社会全体の部分を中心に、子供に興味を持ってもらうことが、子供の将来のために良い社会の教育になるでしょうし、受験勉強で必要になった時にもとっつきやすくなるかなと考えています。

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