【中学受験用語集】持ち偏差値とは

持ち偏差値とは

持ち偏差値とは、その子のおおよその学力を表すための言葉です。「その子の持っている偏差値」という意味で使われます。

持ち偏差値の算出方法

持ち偏差値には正確な定義はありませんが、偏差値は問題運や体調などによって大きく上下するので、子供の持ち偏差値を考える際には、1回の模試の偏差値ではなく過去数回の平均や傾向を見ることが重要です。

例えば直近3回の模試の結果が偏差値54、偏差値58、偏差値56だったら、持ち偏差値は56程度と言えるでしょう。いっぽうで偏差値60、偏差値55、偏差値50とどんどん下がっていっている場合、平均して持ち偏差値は55だとは言いにくいです。

また、持ち偏差値は範囲の定まっていないテストで判断するのが望ましいと考えられます。

中学受験塾で主に小4~小5対象に週1回程度で開催されるテストは、その週に学んだ単元の確認テストです。単元の得意・苦手によって大きく偏差値が変わるので、持ち偏差値を考える上ではあまり参考にならないと考えられます。

持ち偏差値の使い方

例えば自分の持ち偏差値が55だとすると、偏差値55~60程度の中学は少し背伸びした目標となります。また60以上の中学は、あこがれの中学といった扱いになってきます。これらはチャレンジ校とか熱望校などと呼ばれ、勉強のモチベーションに繋げるのに役立ちます。

一方で偏差値50~55付近の中学は合格しやすいと考えられるため、その偏差値帯の中学を何校か受験することで、私立中学全落ちという最悪のケースを回避します。

どうしても入りたい学校が持ち偏差値より低い場合は、持ち偏差値に捉われずに入りたい学校を選ぶことになります。

もちろん実際は中学ごとの出題傾向との相性もあるため、持ち偏差値がそのまま結果に繋がるわけではありませんが、このように大まかに中学受験全体を見渡す際に持ち偏差値という概念は便利です。

持ち偏差値の語源

持ち偏差値という言葉の語源は定かではありませんが、「持ち○○」という言葉は「持っている○○」という意味合いを想起させます。(例:持ち家=持っている家)

そのため、持ち偏差値という言葉を使えば、その子が持っている偏差値、つまりその子の実力を表していることが理解しやすく、使いやすい言葉になっているのだと思われます。

中学受験で持ち偏差値が使われる理由

持ち偏差値という言葉は大学受験などではあまり使われず、中学受験で主に使われています。

その理由はおそらく、中学受験のテスト形式が学校ごとにほぼ一致しているためと考えられます。

大学では受ける大学や学部によって必要科目と配点が大きく変わるため、例えば数学・英語の2科目受験と数学・英語・国語・世界史の4科目受験では自分の偏差値が全く異なってしまいます。そのため、「私の偏差値は○○です」と一意的に偏差値を定めることが難しいのです。

その点、関東の中学受験では算国理社の4科目で受けることがほとんどです。また配点については、算国100点に対して理社が50点から100点まで中学ごとに様々ですが、中学受験塾の模試ではその間を取るような配点になっています。そのため、模試の偏差値が比較的そのまま全ての中学受験に当てはまりやすく、模試の偏差値を以て「私の偏差値は○○です」と自分の偏差値を一意的に定めやすくなっています。

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