スピログラフの謎に迫る
何の話か記事タイトルで伝える方法がとても難しかったのですが、歯車の穴に鉛筆をさして回すと模様が書ける定規の話です。
要するにこれです。
今日はこの図形の謎に迫りました。
スピログラフの模様の仕組み
使う歯車の大きさと使う歯車の穴の位置を変えて、様々なスピログラフの模様を描いていると、いくつかのルールに気づきます。
- 小さい歯車はすぐ模様が書けるが、大きい歯車を使うと時間がかかる。その分模様が細かくなる
- 歯車の中の穴は外側を選ぶほど、出来上がった図形の大きさは大きくなり、中心の円は小さくなる
これらはそれぞれ別の理由でそうなっています。
歯数の最小公倍数
スピログラフを描いていると、いつか最初と同じ軌道に戻ってきます。これがスピログラフの完成です。では、どうすると最初の軌道に戻るのでしょうか?
実は歯車と定規で歯の数が異なるので、これらの歯の数の最小公倍数ぶんだけ歯が進めば最初に戻ることになります。
定規を1周した時、歯数は16個なので、歯車は1周+6個分だけ進みます。つまり定規を1周しただけでは元の位置に戻って来ません。5周すると歯数は80個なので、5周した時に歯車は8周してちょうど元の位置に戻ります。
最小公倍数を求めるために、子供が一生懸命歯車の歯数を調べました。
- 定規の歯の数:96
- 小さい歯車:36
- 中くらいの歯車:52
- 大きい歯車:63
試しに小さい歯車で、96と36の最小公倍数を取ってみると・・・
288ですね。
つまり歯数36の小さい歯車が8周すると、歯数96の外周(定規)をちょうど3回まわり、元の位置に戻ってくるということです。
そう思って先ほどのスピログラフを見てみると・・・
確かに8回描いた形跡がある!
同様に、中くらいの歯車では24回、大きい歯車では32回で元に戻ることが分かりました。
スピログラフを書ききるまでの回転数は比で言うと1:3:4だったんですね。
また、これまではなんとなく「大きい歯車ほど時間がかかる」と思っていましたが、最小公倍数の具合によっては逆転が起こりうることも分かりました。
例えば歯数63では上記の通り戻るまで32周でしたが、歯数64の場合は96との最小公倍数が192になってしまい、わずか3周で元に戻ることになります。
スピログラフの穴の位置と図形の関係
さて次に穴です。
グラフの形状を方程式で表そうとすると媒介変数表示が必要になるわけですが、今回は未履修のためそこまでは触れませんでした(高3でやるよとだけ言いました)。
なので、外見からわかることだけ。
まず、鉛筆をさした穴が一番外に来る瞬間はいつか考えます。
ここですね。
つまりこれが、出来上がった図形のもっとも外側の部分と言うことになります。
一方内側はどこまで行けるかというと…
こんな感じです。
だから歯車の外周に近い穴ほど、図形自体の半径は大きくなり、中央の空白の半径は小さくなるわけですね。
今回はとりあえずここまで。スピログラフは僕自身も小さい頃に不思議に思っていたことなので、いくつか解明してスッキリしました。そもそもスピログラフという名前からして今回初めて知りました。
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