東京都の都庁所在地は東京というのは間違いだった

東京都の都庁所在地はどこ？
- 県庁所在地とは何か
- 都道府県庁所在地を決める条例とは何か
なぜ東京の都庁所在地が東京になってしまうのか
- 国土地理院のルール
「都庁所在地は東京」に違和感が生じた経緯
- おまけ：中学受験塾教材での都庁所在地表記

東京都の都庁所在地はどこ？

47都道府県には県庁所在地というものがあって、小学生はよく分からないまま暗記します。

で、その中で東京都の都庁所在地は「東京」と習います。

▲東京都庁

でも東京都庁って新宿にあるよね？

だから都庁所在地って新宿区じゃないの？

そもそも、その都庁があるという「東京」ってどこのことなんでしょうか？

気になったので調べました。

県庁所在地とは何か

県庁所在地というのは県庁の所在地。つまり、県の事務所がある場所です。

これは法律「地方自治法」の第4条の1で規定されています。

【引用】地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない

要するに、県庁所在地というのは国や政府が決めるのではなく、各都道府県が条例で定めるってことを言っています。

いやいやそこ下線引くようなことか？って思ったかもしれませんが、後で使います。

都道府県庁所在地を決める条例とは何か

都道府県庁所在地を決める条例は、当たり前ですが都道府県ごとにあります。いくつか見てみましょう。

兵庫県の場合

例えば兵庫県ならこんな感じ。

おわかりでしょうか。兵庫県が条例で「県庁の位置は神戸市中央区下山手5-10-1とする」と決めているので、兵庫県の県庁の所在地は神戸市となるわけです。

沖縄県の場合

沖縄県はどうでしょうか。

沖縄県は、県庁の位置は那覇市としています。これだと那覇市内なら県庁を移転する際に条例を変えなくて良いから便利ですよね。

東京都の場合？

さて、ではいよいよ本題です。東京都は、一体どのような条例を定めているのでしょうか・・・？

気になる結果はこれだ！

東京都庁の位置を次のとおり定める。

東京都新宿区西新宿二丁目

ということで、東京の都庁所在地は新宿区でした！

法律で定められた条例にそう書かれているのですから、これはもうひっくり返りようがない事実です。良いですか皆さん、東京の都庁所在地は新宿区です。

・・・しかし、どうも引っかかることがありますね？

なぜ東京の都庁所在地が東京になってしまうのか

ここまでの話で、東京都条例で東京の都庁所在地が新宿区であることが確認できました。

では、なぜ人々は「東京の都庁所在地は東京！」と答えるのでしょうか。

さらに調べていくと、なんと東京の都庁所在地を勝手に東京にした奴を発見できました。

国土地理院です。

国土地理院のルール

国土地理院は日本で唯一の国家地図作成機関です。日本中にある地図の多くが、国土地理院が作った地図を元に作られているらしいです。

ここから先の話は、東京都のページに詳しく載っていました。

東京都の県庁（都庁）所在地について

東京都の県庁（都庁）所在地についてのページです。

【引用】国土地理院の発行する５０万分の１の地図には、作成上のきまりがあります。（図式適用規程という。）この中に、「市町村の名称はすべて表示する。」「都道府県庁の位置は◎で表示する。」という決まり事があります。ところが、東京の場合は◎の表示の脇に「東京」と記載があります。国土地理院へ確かめたところ、「東京の２３区は市町村ではないので名称を記載していないが、便宜上東京２３区の総称として「東京」という表示をしたのではないか。」との話でありました。

また、現在の２３区の存する区域が、昭和１８年まで東京市と呼ばれていたため、その名残りではないかとも考えられます。

簡単にまとめるとこんな感じのようです。