開成と麻布の教育の違い
全体的にツッコミどころが多い記事でした。
中学受験の「つるかめ算」で見える開成と麻布の教育の違い|日刊ゲンダイDIGITAL
開成では特殊算は重要ではない?
一番気になったのはここでしょうか。
>中学の学習に耐えられる計算力の速さ、抽象的な思考力を鍛えようとする開成型の教育には、つるかめ算などの特珠算はそれほど重要なものではない。一方で「いかに」「幾通りもの解法」を考えさせ、いわば仮定を立てさせることで具体的なイメージを促す麻布型の教育では、特珠算は必要だと考えられている。
「開成の授業では特殊算を重要視していない」「麻布の授業は具体的なイメージを促している」と読み取れるのですが、どちらも疑問です。
数学というのは大概算数を抽象化することによって数学となるわけで、開成型も何も、日本中どの中学校でも数学では抽象的な思考力を鍛えると思うんですよね…。
ただ、抽象化の過程で算数的な考え方が必要になることはよくあります。だから算数の抽象物である数学を学ぶ際に算数的な考えが不要、ということは全くないです。
ついでに開成が計算力の速さを鍛えようとしているというのも疑問ですし、入試でも計算問題はないです(数年前は出てたみたい)。
まあ大体こういう内部事情の話は、外部の人が思い込みか思い付きで書くと、間違ってることが多いですよね…。
結論:開成が特殊算を出さなくて麻布が出すからと言って、そこから開成と麻布の授業の違いを窺い知ることはできないし、そもそも授業の違いが気になるなら学校に直接聞いてから記事にして下さい
特殊算を出す学校と出さない学校があるらしい
記事全体の信用度からすると真実かどうか怪しくはあるものの、
>実際、中学受験校のすべてで特珠算が出題されるわけではない。開成や駒場東邦、神奈川県の聖光学院では、ほとんど出題されない。その一方で麻布や女子学院、京都の洛星や灘の入試では定番だ。
という部分は興味深かったです。
僕もそんなに詳しいわけではないのですが、確か1990年頃に開成が「ツルとカメとカブトムシが合計何匹いて足の数が…」というつるかめ算の3種類バージョンを出題して、以後そのジャンルが流行って「つるかめかぶと虫算」と呼ばれていた時期があった気がします。違ったらゴメン。
それが、今では開成はつるかめ算を出さないというのはちょっと面白いですよね。
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