2025年ジュニア算オリ平均点・決勝ボーダー予想と感想(トライアル)

2025年ジュニア算オリトライアル感想

2025年ジュニア算数オリンピックの問題講評と平均点・ファイナル進出ボーダー予想です。

あくまで予想であり、正確性は保証できませんのでご注意ください。
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易しめのセット

直近2年は平均点が30点台、決勝ボーダーが50点台という厳しい回が続きましたが、今年は従来の難度に戻りました。

問題の難度的にも、易しめ3問、中程度3問、難しめ3問程度とバランスの良いセットとなっていました。平均点やボーダーの詳細は後述しますが、難問3つの中で自分が得意なものを取れば決勝進出、という意味ではファイナル進出を決めるのにふさわしい問題構成だったと思います。

最難問に運ゲー要素あり

最も難しい問題8の(2)で「Aさんが1組か2組か答える」といった問題が3問あり、1か2かの運次第で正解できてしまいました。

これが今回最も難しい問題だったのですが、これまでの算オリの傾向からすると、ここは2点×3問という配点ではないでしょうか。

「1」か「2」のどちらかを書けば当たる可能性があるため、完璧に解いた子と適当に解いた子と差が付きにくくなってしまっている可能性があります。(せめて3つ組んで正解にすればちょっとは差が付くかも…)

問題ごとの感想

問題1は「もっと大きな整数は?」という、一見簡単なように見えてちょっと面倒な問題でした。

自分が出した答えが大きいことは分かるが、最大である証明が非常に難しいため、絶対に正解しなければならない緊張感の中で解くと、難度が全く異なって見えたことと思います。

問題2は見た目だけ同じ問題が2020年のキッズBEEで出ていますが、問題の内容は全く異なります。上の積み木は下の積み木2個の合計なので、一番下の4個をabcdとでも置けば解けるのですが、左に書かれている例を気にしてしまうと解きにくくなるのがやや意地悪とも言えるかもしれません。

問題3は算オリ系では定番の「四角形の周りの長さ」の問題ですが、やや複雑で難し目でした。3つの正方形が同じであることや、正方形の周りの長さは分かるので一辺が分かることが見えにくく、また一辺を出してしまうことで逆に解きにくくなる可能性も。これまで多数の類題を解いてきた子も、過去の経験に引っ張られすぎずにちゃんと頭を使えたかどうかが重要そうです。

問題4はパズルですが、いわゆるイラストロジックとかピクロスと呼ばれるパズルと一見似ているのですがルールが異なるため、それらのパズルに慣れている子には逆に厄介だったかもしれません。とはいえ正解率は高そう。

問題5はバスの時刻表を使った問題ですが、これは等差数列と約数の問題であり、時間や速さの要素はありません。ただ、答えっぽいものが出た時に、一度落ち着いて「10時台で最初」「11時台で2番目」といった問題の条件を全て満たしているかどうかは確認すると良いでしょう。

問題6は大きな三角形の中に六角形か三角形を敷き詰めてしまえば解けるので、その発想があったかどうか次第。実際は、本当に厳密にピッタリ敷き詰められるかどうか証明しようとすると結構難しいのですが、そこは気にせず解いた方が時間面で得をするのがジュニア算オリの特徴ですね。

問題7は虫食い算の系の問題ですが、問題6の下にオマケみたいな感じで置いてある割には結構重い問題でした。理論的に解こうとしても意外ときれいには決まりにくい厄介な問題で、2桁×2桁の計算を50回くらい気合いで計算して解いた子も多そうです。順番にやっていくと答えはかなり最後の方に出て来るので、気合いより理論で解いた子の方が時間面で有利を取れるのが良かったと思います。

問題8は推理問題ですが、どこを論点にして考えていけばよいのかという糸口が非常に見えにくい問題でした。おそらく今回の最難問。

前述の通り(2)は適当に書いても半々で当たってしまう点は残念ですが、実際に解いていくと、答えがハマる瞬間がかなり面白いです。

問題9は十角形の中の塗られた部分を答える図形問題。簡単ではないのですが、昔ちょいちょい出ていた超難問図形問題とは違ってそこそこ解きやすいので、諦めずに実際にやってみた子は意外と解けたのではないでしょうか。

ただ、とりあえずパッと見で正十角形の半分よりは小さいのですが、正十角形の面積が100cm²なので3分の1ではなさそうだなと思えるので、適当に答えた子もそこそこの確率で正解できたかもしれません。

問題ごとの難度と正解率

アンケートから推定した問題ごとの正解率は下表の通りです。

※例年アンケートに答えて下さる方のレベルが高いので、その傾向を加味した補正を掛けています。

問題2,4,7が易しく、問題1,5,6が中程度、問題3,8,9が難し目だったようです。

※問題1は最初誤った解答を載せていたため、計測が不正確な可能性がありますm(__)m

2025年ジュニア算オリの平均点とボーダー予想

※この予想は、様々な条件が去年と同じと仮定して算出しています。受験者数と決勝進出人数、アンケートに回答した人のレベルなどが去年と違えば結果は大きくズレる可能性がありますのでご了承ください。

2025年ジュニア算オリの平均点は45~55点

ファイナル(決勝)進出ボーダーは、62~72点と予想します。

大体9問中2ミスまではOKで、3ミスで当落線上、4ミスでももしかしたらワンチャンいけるかも…?という感じではないかと思っています。

これまでジュニア算オリでは最も易しい回でも平均50点、決勝ボーダー70点程度でしたから、今回が史上最も簡単だった可能性があります。ただそれでも、今回のボーダーが80点とか90点とかになることは無いと思われます。

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