2025年キッズBEE平均点・決勝ボーダー予想と感想(トライアル)

2025年キッズBEEトライアル感想

2025年キッズBEEトライアルの問題講評と平均点・ファイナル進出ボーダー予想です。

あくまで予想であり、正確性は保証できませんのでご注意ください。
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運ゲーの少ない良セット

キッズBEEではしばしば「〇か×かで答える」ような問題が出て、適当に書けば当たってしまうということがあるのですが、今年は1問もありませんでした。選択肢問題も問題3問題5にありましたが、6択や8択になっており、当たりにくくなっていました。

ただ後述の通り、最難の問題8のあみだくじで適当に数字を書いて偶然当たった子にもしも部分点が入ると、その数点が決め手でファイナル進出が決まりかねない点だけちょっと気になります。(組んで正解だったら問題ないのですが)

解き方次第で差が付くセット

問題1問題4では、”賢い解き方”をすれば時間を大幅に短縮できました。時間がかかる方法を使って「気合いで解く」ということをやってしまうと、その問題を正解できても、他の問題を解く時間が無くなって1問、2問と落とすことになります。

時間のかかる解き方をすると、その問題自体は正解できても、実質的に1問、2問不正解したのと同じことになってしまうわけです。

今年はこのような罠問題がジュニア算数オリンピックにも仕込まれていました。制限時間を上手に使う能力も必要になって来ます。

文章量も適度

今回は問題の文章量がほどよく、推理問題もありましたが、説明の長すぎる問題は見られませんでした。むしろ短くまとめられていた印象があり、とても良かったです。

小学生の低学年の子にとって長文の算数の問題は文章を読むこと自体が重く、算数じゃない能力で結果が左右されることになってしまいます。そういうのは全国統一小学生テストとか早稲アカチャレンジテストといった他のテストがあるわけで、キッズBEEはできるだけ算数の得意さだけで勝負できる場であってほしいなと思っています。

分かりにくい問題

問題4は4段目と5段目にある空欄の○に数字を入れる問題ですが、設問は「○の中に書かれている全ての数字の合計はいくつになりますか」となっており、1段目から5段目までの合計を求める問題でした。

5段目の10000や、4段目と5段目だけ合計して11000と答えてしまった子が結構いるようです。

10000や11000と答えた子は、算数の本質部分は理解できているわけなので、部分点が少しは加算されると良いなあと思います。

問題ごとの感想

問題1は典型的な虫食い算、に見えて、実は1つ1つの□にどの数字が入るかは考える必要がありません。1~9の合計は45であり、□+□=□+□+□=□+□+□+□、と3つの等号があるので、それぞれの式内は45÷3=15、で終わりです。

1つ1つの□に何が入るか考えてしまうと時間がかかり、他の問題を解く時間が削られてしまう、という問題になっていました。

問題2は積み木の数を数えるだけの問題、なのですが、前から見た図2だけでは後方の積み木が見えず、後ろから見た図3と合わせて考える必要がありました。この手の問題では本来は1段目、2段目、3段目の3つの新たな図を書くのが常套手段ですが、図2と図3は逆から見ているので、新たな図を書く際にミスが発生しやすかったです。立体を頭で想像するのが得意な子は有利だったかもしれません。

問題3は六角形をぱたんとひっくり返した時の模様を想像する問題。よくある「折り紙の折り返し問題」を解いたことがあればその応用で行けたでしょう。

問題4は、左が3倍+1で右が7倍-1だから、合わせて10倍になっていることを使う問題。気合で計算するとちょっと小学生には辛い計算量になってしまい、正解できないばかりか時間を取られるせいで他の問題が解けなくなる、という罠問題でした。

問題5はパズル問題。全てのピースが偶数個必要なことに気づけば早く解けますが、実際につなげて輪を作ってみても解けます。正解率は高かったと思われます。

問題6も毎年よくある推理問題ですが、並べ方が国語と算数の点数で2通りあります。第6回(2014年)のトライアル問題8で身長と体重の2通りで並べる問題と似ていました。

実際に解いていくと、すぐに全員の国語の順位が確定します、そのため、比較的早い段階で手ごたえを感じやすく、楽しく解くことができた子も多いのではないでしょうか。

問題7は毎年恒例の「四角形の周りの長さ」に関する問題ですが、「2cm」と書かれている部分が多くてややこしく、情報の整理が難しかったかもしれません。

問題8はあみだくじに関する問題で、今年の最難問題。実は去年のジュニア算数オリンピックの予選にもあみだくじの問題が出ていたので、もしもそれをやったことがあってあみだくじに関する理解があると、若干有利に解けた…?かもしれません。(やっていたら解けるというわけではないのですが)

問題ごとの難度と正解率

アンケートから推定した問題ごとの正解率は下表の通りです。

※例年アンケートに答えて下さる方のレベルが高いので、その傾向を加味した補正を掛けています。

問題1、問題2、問題5は正解率8割程度の易しい問題。問題3と問題6も正解率50%前後なので決勝を目指す子は確実に取りたい問題でした。

いっぽうで問題4、問題7、問題8はかなり難しく、この3つが解けなくても他が取れればファイナルには行けるのではないかと思います。

2025年キッズBEEの平均点とボーダー予想

※この予想は、様々な条件が去年と同じと仮定して算出しています。受験者数と決勝進出人数、アンケートに回答した人のレベルなどが去年と違えば結果は大きくズレる可能性がありますのでご了承ください。

2025年キッズBEEの平均点は40~50点

ファイナル(決勝)進出ボーダーは55~65点と予想します。

去年2024年は難しかったですが、今年はそれよりは少し易しく、例年並みの平均点となったと予想されます。

正解率10%前後と思われる問題4,7,8以外の5問を全部正解すると59点なのですが、それだとまだ人数が絞り切れず全員はファイナルに行けない可能性も。もしもそうなると、ボーダーは60点以上となり、問題4,7,8でも点数を取る必要があります。

そうなってくると、問題4,7,8の部分点が極めて大きな意味を持ってきます。

7番は正方形の長さを答える問題なので部分点は与えにくく、残るは問題4と8なのですが…

問題8のあみだくじは7本あって14点なので、1本2点×7問となっている可能性があります。

そうなると、もしも「問題478以外全問正解で59点」の同点が大量に並んだ場合に、あみだくじで適当に7つ書いた数字が偶然いくつ当たったかでファイナル進出が決まる、ということになってしまいます。これはあんまりでしょう。

それよりは前述のとおり、問題4で11000や10000と書いた“算数的に解けているが正解にならなかった子”に14点中7点くらいの部分点を与えて、点数的に優位にしてあげて欲しいなと思います。

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