立体認識と光学異性体

立体認識と光学異性体

最近子供が立体について興味を持っていて、それとは別に化学の分子構造にも興味を持っていたので、ちょうどその2つの話が出てくる「光学異性体」のことを教えてみました。

光学異性体とは

三角すいの4つの頂点にA、B、D、Eと印をつける時、その印のつけ方は2通りあります。

▲実際に右の三角すいを作って、回転したら左の三角すいと同じになるか試してみる

 

この2つの三角すいはひっくり返しても回転しても、同じにはなりません。だから2通りです。

 

つまり、この三角錐の中央の空洞部分に点C(炭素)があって、炭素から出る4本の手にA、B、D、Eという4つの分子が付いている場合、その位置関係によって2通りの分子が考えられることになります。

この2つの三角すいの関係が、光学異性体です。ちょうど鏡に映した形になっているため、鏡像異性体とも呼ばれます。

 

で、最後に「じゃあ鏡の国の牛乳はおいしくないよね」という話をしておしまい。

不思議の国のアリスの続編に「鏡の国の牛乳はおいしくない」というくだりがあるそうで、これは牛乳を鏡に映したら光学異性体の別分子に見えるはず、という意味なのだそうです。

 

こんな話は普通はつまらないかもしれませんが、子供が興味を持っているその瞬間に話をすれば「すごい!面白い!」となるので、タイミングのよい雑談というのはとても強いなあと思います。別に光学異性体の概念を覚えてほしいわけではありません。興味のある話をフックにして、三角すいの立体的な特徴や、平面はひっくり返すと重なるが立体はひっくり返しても重ならないこと、などを感じてもらえたらいいなという感じです。

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