コロナウィルスが中学受験に与える影響
コロナウィルス・緊急事態宣言による中学受験への影響を考えます。
なお今回は経済面については考慮せず、コロナウイルスそのものの脅威についてのみ考えます。
塾の休講
3月から既に飛び飛びに休みが発生していましたが、緊急事態宣言によって4月7日から1カ月はほぼすべての塾が休校となりました。
大手塾では代わりにオンライン授業などでサポートをする体制を整えていますが、子供にとって塾とオンライン授業は全く異なります。思い通りに勉強してくれなくて焦っているご家庭も多いようです。塾再開まで勉強のペースを保てる子は、かなり有利になるでしょう。
2021年2月の入試は、子供が自ら好んで勉強をしているご家庭や、親がしっかり子供をサポートできるご家庭が有利になると思われます。
通塾者の減少
子供の学年の変わり目に今回の騒動が来てしまったため、低学年~中学年では入塾の機会を失ったご家庭がたくさんあります。また、コロナが当面収まりそうもない中、通塾をためらっているご家庭もたくさんあると思います。
入塾のタイミングで一番多いのは4年生(3年生の2月)とされていますが、今年4年生になった子は、2023年2月に中学受験する学年。コロナの影響で、2023年あたりの中学入試組は、予定通りのスタートラインに立てた子が少なかったのではと思います。
夏期講習と小学校のバッティング
今年は自粛要請や緊急事態宣言によって春休みが長くなった分、小学校の夏休みが短くなり、そこで足りない分の授業時間を補うようです。つまり、従来だと塾の夏期講習が組まれていた7月後半以降の日程が、小学校で潰れることになります。そのため、受験学年の小6は夏に追い込める量が減ることになりそうです。(2022年以降の中学受験への影響はそれほどではないと思いますが…)
小学校のある日に塾の講習も組まれた場合、小学校が終わってから塾に向かうことになるのでしょうか。また、夏までコロナが残っていた場合、リスクを取らずに自宅で勉強したり、家庭教師を頼むご家庭もあったりするのでしょうか。
今の時点では今年の夏休みはどうなるのかがなかなかイメージできないですが、いずれにせよ、今年の夏休みを有効に使えるかどうかは、2021年中学受験者の間でかなりの差につながりそうな感じがします(春休みもそうでしたが)。
受験校併願プランの変更
2020年末にコロナがどうなっているかにもよりますが、併願校の数を減らす人が増えるのではと思います。特にコロナがまだ猛威を振るっている場合、1月に埼玉・千葉で練習をしてから2月1日以降の本番に挑むという戦術はあまり採られなくなる可能性があると思っています。
1月中旬に開催される中学入試の中には、浦和明の星や栄東など数千人から1万人が受験する「練習校」があります。しかしコロナの脅威が残っていれば、人数の多い受験会場は心配ですし、本番まで2週間という期間も心配です。練習校でコロナにかかってしまうと、ちょうど本番頃に発症することになるのはちょっと怖いです。
まとめ
ということで、コロナによる中学受験への影響は、このようなことが考えられます。
- 2021年の受験者数は、この環境で勉強を持続できている家庭が有利
- 2023年近辺の中学受験者数の減少
- 本来塾で夏期講習をしていた時期に小学校の授業がかぶってくる
- 1月の練習校の合格倍率の低下
特に2021年は、これまでとは異なる環境での受験になります。僕も一刻も早く日常が戻ることを祈っていますが、それまでは、これまでの「塾に任せてれば受かる」という方式からはいったん頭を切り替えることが重要になりそうだと感じています。
経済面・金銭面による中学受験挑戦者数の増減や、中学受験塾への入塾・退塾への影響については、また別の記事で書きたいと思っています。
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