【中学受験初心者ガイド1】中学受験が流行している理由

中学受験が流行している理由

中学受験は一部地域ではここ数十年ずっと人気になっており、不景気等による波はあるものの、一都三県の中学受験率は10%~15%の間で安定しています。

中学受験をする理由には、以下のようなものがあります。

  1. 良い環境で学ばせたい
  2. 高校受験を避けたい
  3. 大学受験に有利な環境

良い環境で学ばせたい

私立中学には入学試験があるため、学力の近い子が同じ中学に集まります。そのため、自分の実力に合った授業を受けることができます。また、自分と考えの近い子たちと過ごし、切磋琢磨することができます。

また、私立中学では各学校ごとに理念や特色があり、教師もそう頻繁に入れ替わらないので、校風が変わらず安定しやすいのも魅力です。子供に合った中学を選びやすくなります。

公立学校の授業は勉強が苦手な子に合わせるため、成績優秀者は公立中学に進学すると授業の時間が無駄になってしまいます(いわゆる「浮きこぼれ」の状態)。また、公立中学では学級崩壊やイジメなどが発生する恐れがある、と考える人も多いようです。

東京23区の私立中学入学率は20%程度となっています。つまり東京では小学校から中学校に進学する際に、主に優秀な層が2割近く抜けることになります。これにより公立中学はますますレベルが低下することになります。

こういった事情から、成績優秀層は公立中学より国立・私立中学への進学を希望し、中学受験をする傾向があります。

高校受験を避けたい

良い高校に入るには、本来は中学から入らずとも高校受験で良いはずです。しかし最近は高校受験を避けたいという考えのご家庭が増えてきました。理由は3つ考えられます。

中高一貫で勉強させたい

中高一貫校では中学と高校の合計6年で自由に学ぶことができます。そのため、高校の内容と中学の内容で似通ったものがあればまとめて学ぶことができるなど、効率良いカリキュラムを組むことができます。

いっぽう中学と高校が3年・3年に分かれていると、短い期間で2回受験する必要があり、非効率であると考えられます。

高校から入れる私立が無い

私立の中高一貫校で高校からの編入枠のある学校がどんどん減っています。また、中学が無くて高校だけという私立というのはほとんどありません。そのため現在は、私立高校に入るなら中学から入るしかないという状況になっています。
https://oteu.net/edu/4218/

内申点制度を避けたい

公立高校に進学する場合、受験本番の点数以外に「内申点」が加点されます。

内申点を上げるには中学でのテストの成績だけでなく、授業中の態度も採点されるのが問題視されています。場合によっては先生の言うとおりに従わないと減点されたり、先生のお気に入りにならないと減点されるなど、さまざまな理不尽に耐える必要があると考えられます。

そのため成績優秀者の間では、純粋な実力で勝負できる私立中学受験が好まれる傾向があります。

大学受験で有利な環境

中学受験を検討する層のほとんどは、大学の学歴を意識しています。

日本は現在でも「学歴」が有効に働いており、ある程度良い大学を出ないと就職や結婚など人生の様々な点で不利になる、と考えている人は多いです。

しかし関東・関西などの中学受験が激しい地域では、有名大学の入学者は国立・私立高校が大多数となっています。そのため、中学受験でいい中学に入り、そこからいい大学を目指す、というルートが人気になっています。

私立大学の付属中学の人気

2010年代後半からは、私立大学の付属中高への人気が高まっています。これは私立大学が入学定員を減らしているためです。

文部科学省の方針によって、各私立大学は大幅な定員減を行っています。しかし私立大学の多くには付属(系列)の中学・高校があり、そちらからの内部進学の人数はさほど減らさない方針のようです。

そのため、中学から私立大学の付属中学に入ってしまい、内部進学によって大学受験をせずに大学へ進学するというルートが人気になっています。

但し中学から大学まで私立となると学費が膨大になります。大学の最難関は国立ということもあり、また私立大学より学費が安いこともあり、国立大学を目指す層も多いです。

まとめ

私立中学受験は中学を選ぶだけの話にとどまらず、その先の高校や大学まで見据えてルートを選ぶ必要があります。

いっぽうで、私立は公立と比べてお金がかかります。中学受験をするには入学後の学校の学費だけでなく、入学前に行く塾や、大学受験の費用などもトータルで考える必要があります。

つまり中学受験を検討する場合、子育てのゴールまで考える必要があります。中学受験の検討は、突き詰めると、子育ての方向性の検討と同じです。子供にとって、また家族にとって、どうするのが良いのか。安易に周囲に流されることなく、時間をかけて、慎重に検討する必要があります。

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