中学受験組が大学受験で苦戦する理由
中学受験をするご家庭では、早くも大学受験が気になっているという人も多いようです。少し気が早すぎる気もしますが…。
さて、中学受験で偏差値が高い子は、やはり大学受験でも偏差値が高いのでしょうか?
特に小学校高学年で安定してトップを走っている子たちを見ると、このまま大学受験までトップ層は入れ替わらないのではないかなんて思えてきます。
しかし実際は必ずしもそうではないようです。
なぜなら、中学受験と大学受験では、科目が違うからです。
中学受験は算数必須、でも大学受験での必須科目は…
中学受験では算数が最も重要で、算数によって成績が大きく左右されます。算数を制する者が受験を制するなんて言葉もよく聞きます。
しかし大学受験ではどうでしょうか。
中学受験と大学受験の科目は、およそ下表のとおりです。
受験 | 受験科目 |
---|---|
中学受験 | 算数・国語・理科・社会 |
大学受験(理系) | 英語・数学・理科・(国語) |
大学受験(文系) | 英語・国語・社会・(数学) |
まず見てすぐ気づくと思いますが、大学受験では理系か文系かを選べます。
理系では算数、文系では国語の配分が大きくなり、さらに理科と社会のどちらかはほとんどやらずに済みます。
そして、理系でも文系でも英語は必須です。しかも高配点です。
この2点が、中学受験との科目の大きな違いです。
算数が苦手な子でも
算数が苦手だと、中学受験では苦戦するかもしれませんが、大学受験を諦める必要は全くありません。苦手であっても中学・高校で何とか振り落とされずについていけば大丈夫です。
特に文系の場合は英語と国語が2大科目になりますから、算数が重要と言われた小学校受験とはかなり異なるフィールドで戦うことになります。文系では数学は無かったり、あっても理系より範囲が狭く難度も低いので、算数が苦手な子も、頑張ればいい成績を取れたりするわけです。
そのため、中学受験では算数が苦手でイマイチ振るわなかった子も、大学受験ではいい成績を出せる可能性があります。
逆に算数が得意でも、国語が苦手な子は、英語もできない可能性があります。例えば東大の理系では英語・国語合計で440点中200点とほぼ半分を占めますので、早期から英語も少しやっておいて、中学入学後に英語をある程度好発進させるといった考え方も出てきます。
たまには中学受験の先も見てみよう
早期教育をしている方は「中学受験では算数が重要らしい」と言って算数の先取りを進めるご家庭は結構多いです。それ自体は間違いではないと僕も思います。ただ、他にも考え方は色々あります。
ついつい中学受験のことばかり考えてしまいがちですが、時にはもう少し先も見て、柔軟に教育方針を考えていきたいものです。
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