小6の夏休みに猛勉強しても伸びない理由

報われる低学年と報われない高学年

もうタイトルが出落ちのような記事ですが、今日は「低学年ほど偏差値が上がりやすく、小6の夏休みに猛勉強してもあまり伸びない理由」について書いてみます。

低学年は偏差値が上がりやすい

低学年のうちは、偏差値がとても上がりやすいです。例えば「テストで偏差値40を取ってしまった…もっと頑張らねば!」と思って対策をすると、割と簡単に偏差値50に上がったりします。

これは、低学年から頑張っているご家庭が少ないためです。我が子だけが頑張っているので、頑張った分だけ周りの子よりいい点数が取れるようになります。

逆に言えば、中学受験において低学年のうちの差はそんなに気にしなくて良いということです。

高学年は偏差値が上がりにくい

いっぽうで、高学年では頑張っても偏差値の上昇に結び付きにくく、また大逆転が起こりにくいことが知られています。なぜでしょうか?

ここで思い出していただきたいのが、「偏差値とは何か」です。

偏差値について一応簡単に説明をしますと、テストの平均点を偏差値50として、平均点よりもちょっといい子は55、もっといい子は60、とてもいい子は65…と数字が上がっていく指標です。

つまり偏差値というのは、お子さんの頑張りを表す数字ではありません。偏差値というのはお子さんが、他の子と比べてどれくらい頑張ったかを表す数字です。

小6の夏休みとなると、もう塾に通っている子たちは夏期講習や家での勉強に明け暮れていますから、その子たちよりも多く勉強することはなかなか難しいのです。

例えばこういうこと

正確性に目を瞑ってざっくりした話をしますと、偏差値40の子が偏差値50まで上がるには、偏差値41~49の子より多く勉強して、その子たちを逆転する必要があります。

低学年ではその子たちはほとんど勉強していないので簡単に逆転できますが、小6の夏休みでは偏差値41~49の子たちも猛勉強しているので逆転が難しい、という感じです。

これが、小6の夏休みに頑張っても成績が上がりにくい理由です。

やった分だけ学力としては明らかに上がるので、夏休みの努力が無駄だったわけではありません(絶対評価は上昇)。ただ、ライバルも頑張っていたから追い抜くことはできていない(相対評価は変化なし)、ということです。

低学年での例外

低学年~中学年の場合、いわゆる座学による勉強以外からも学べることが数多くあります。

なので子供が勉強に拒否反応を示すなどして継続が困難になった場合は、勉強量を減らす、勉強内容を変える、あるいは思い切って勉強をやめてしまうのも良い作戦となり得ます。無理に勉強を続けるよりは、子供の好きなことの中から自然の学びを得てもらう方がトータルで効率は良く、またしばらく経った後に座学に復帰できる可能性も残せます。

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