中学の塾別合格者数水増し疑惑?
毎年この時期、各中学受験塾は自塾の中学合格者数を発表します。
そしてその結果が出揃うにつれて、一部の疑い深い人たちの間では合格者数の水増し疑惑が浮上します。
ここでは具体例として、2020年の開成中学の塾別合格者数を見てみましょう。(合格者数は2月14日時点の各塾発表)
- SAPIX 286人
- 早稲田アカデミー 110人
- 四谷大塚 104人
- 日能研 38人
- 浜学園 23人
- 市進グループ 17人
- 栄光ゼミナール 16人
- 英進館 15人
- 中学受験ドクター 13人
- グノーブル 11人
- エルカミノ 10人
- TOMAS 9人
- フォトン 7人
- 希学園 7人
- ジーニアス 5人
合計:671人
開成中学は定員が300名、合格者が397名のはずなのに、各塾の発表している開成合格者数を合計すると671人になってしまいました。これは多すぎですよね。
このように実際の合格者数より塾の合格者数が多くなってしまう理由は、大きく2つあります。
- 繰り上げ合格がある
- 1人で2つの塾に行っている(ことにされている)
繰り上げ合格
開成中学の場合、定員300人に対して397人と少し多めの合格者を出しています。しかし、2月3日の発表された397人の他に、実はさらに追加で繰り上げ合格が発生しています(2月11日頃に各塾いっせいに合格者数が増加しています)。
2020年の場合、繰り上げ合格者数は、SAPIX47名程度、早稲アカ23名程度などをはじめ、全塾合計でおそらく100名弱ほどいると思われます。
1人で2つの塾に行っている
上位校を目指す場合、1人で2つの塾に行っているというケースがあります。
塾2つなんて普通に考えたら無理なのですが、メインの塾以外に少しだけ追加をする、という使い方があります。例えばこのような感じです。
- 普段は地元の塾に通い、土曜 or 日曜の特訓だけ大手塾を利用する
- 普段大手塾に通いながら、授業についていくために追加で個別指導塾も利用する
このように様々なケースが考えられます。
ただ、次の項で述べます通り、塾側は生徒を何でもかんでも合格者にカウントして良いわけではありません。
合格者にカウントされる基準
昔は模試を一度でも受けたらその塾の合格者にカウントしてしまうなど、基準がかなりずさんでした。しかし現在はルールが定められています。
2020年入試から少しルールが変わりました。簡単に書くと、8月~1月の間に3ヶ月以上在籍して、30時間以上受講した生徒のみ合格者にカウントして良い、という感じです。
SAPIXのSS(サンデーサピックス)や早稲アカのNN(何が何でも)など、志望校別の日曜特訓を受ければ、普段他塾に通っている子は2つの塾で合格者にカウントされます。冬期講習などの参加などでも場合によっては該当します。
模試を1回受けただけでその塾の合格者にカウントされることはありませんが、上位校に向けて熱心に塾に通っている子は1人で2塾にカウントされるケースも多いと思われます。
合格者合計が中学の定員を超える理由まとめ
- 追加合格が出ている
- 1人の合格者が2つ以上の塾でカウントされている
- 開成中学の場合、合格者397名に対して、15塾の合計合格者数が671名となっている。これは、追加合格100名弱と、重複カウント200名弱が影響している考えられる。
各塾が合格者数を不正に水増ししているわけではない…と思います。特に大手塾は校舎別の合格者も発表するので、不正をしたらバレると思います。
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