低学年での漢検飛び級、実は危険

低学年での漢検飛び級

低学年のうちから多くの漢字を先取りで学んでおくと、子供に良い影響があります。

例えば様々な本を読めるようになり、世界が広がります。また、街中や様々な場所にある漢字が読めるので得られる情報量が増えます。そのため、同じ経験をしても漢字を知っている方がより多くの物事に触れることができます。

要するに、漢字というたった1つのハードルのせいで、子供が得られる知識量は大幅に下がってしまうので、漢字を先取り学習するといいことあるよね、ということですね。

ここまでは、前に早期教育の識字について書いた通りです。

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ただ、そのために漢字検定を使って上の学年の漢字を覚えていく方法は、慎重に考えた方が良いと思います。それは、漢検の内容によります。

漢検のデメリット

漢検の問題は、大きく分けると「読み」と「書き」と「漢字周りの知識」があります。

この中で、みんな苦労するのが「書き」です。また、上の方の級では部首や四字熟語など漢字周辺の知識も、漢検に向けて勉強する必要があります。

でもちょっと待ってください。冒頭に挙げた漢字先取りのメリットって、実は漢字を読むだけでほとんど達成できますよね?

子供が「漢字を覚えたい!」と思う時、その動機には以下のようなものがあると思います。

  1. 単に漢字を覚えたい
  2. 漢検で合格したい
  3. 漢字を覚えることで何かをしたい(本を読みたいとか)

漢字を覚えたい子は覚えればいいですし、漢検で合格したい子はどんどん対策したら良いです。

ただ、上記3のような読みだけやりたい子にで用が足りる子に書きの習得も強要するのは良くないです。やる気が低下しますし、そもそも現時点で不要なことをやるのは時間の無駄です。もう少し年齢が上がって、1日の勉強時間、忍耐力、筆圧、記憶のコツなどが向上した時にやった方が効率良いです。子供を漢字嫌いにさせてしまう可能性すらあります。

ではどうすればいいのか?

まずは読みだけ覚えてもらい、本人が漢検に興味を持ったら漢検を受けるための対策として書きなどもやる、という手順がおススメです。

もちろん漢字検定の教材を使って読みだけマスターするのはアリです。漢字をムラなく覚えられますし、書きや知識のページを飛ばしたって目には入りますから、自然と興味が沸いてくる可能性があります。

先取りで小3までに小6の漢字を覚えると、小4から中学受験塾が忙しくなっても大丈夫、みたいな話はたまに聞きますが(僕も最初は何となくそう思ってた)、それは親の一存でできることではなく、親子どちらもそうすべきと思ってないとなかなかできません。

だって小学生の漢字は1000文字もありますからね。

子供にとって1000文字というのがどの程度か分からない場合は、大人の皆さんが今からアラビア語の単語を1000個覚えるのを考えたらちょっとは想像できるかもしれません。「必要になったらその時にやるわ…」ってなるでしょ?

うちの場合

うちでは上の子が年長で漢検7級(小4)に合格し、下の子は年中で漢検10級に合格しました。しかし2人ともそこで止まっています。

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止めた級には意味はありません。2人ともやる気があった時はどんどん進め、やる気の減衰が認められたタイミングでやめた、という感じです。

それと、上の子は8級に合格してから7級を受けるまで1年ほど間が空いたのですが、その間に覚えた漢字をかなり忘れていました。漢字については、あまり早すぎる先取りは効果が薄いと思います。なので、子供の貴重な時間を本当に漢検に使って良いのかどうかは慎重に考えた方がいいです。

もちろん目標を持った方が勉強がはかどるといった効果も漢検にはあります。漢検を目指すべきか読みだけ教えるべきかは、お子さん次第かなと思います。

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